ブックタイトルしまくとぅば読本(中学生)

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概要

しまくとぅば読本(中学生)

7ことわざ・言葉かじん<一口メモ>」-女流歌人「恩納ナベ」と「よしや」-数多い歌人の中でも,たくさんの人々に親しまれている「恩納ナベ」と「よしや」は,琉歌の二大女流歌人といわれています。しょうけいおう恩納ナベは,18世紀の前半,尚敬王時代(1713~51年)の人だといわれている伝説の歌人で,今の恩納村の恩納岳のふもとに生まれたといわれています。よみたんぼっよしやは,1650年,今の読谷村に生まれ1668年に没したといわれている伝説の歌人で,短いしょうがいゆうかくきょうぐう18年の生涯であったと伝わっています。幼くして遊郭に身売りされますが,その境遇の中で和歌の影響を受けたすぐれた恋の歌を多く残しました。恩納ナベの歌には対象に強く働きかけるほんぽうさが感じられ,よしやの歌には恋の歌に限らず,悲しく切ない気持ちをこめた歌が多く見られます。???????????????????????(うらむ比謝橋や情けない人ぬ)???????????????????????(わぬ渡さともてかけておきゃら)~よしや~意)うらめしい比謝橋は,私を渡そうと思って,情けを知らない人がかけておいたのだろうか。「うらむひじゃばしや↑恩納ナベの↑恩納琉ナベの歌が刻琉まれたわんわたさとぅむてぃ歌が刻万まれた座毛の万座毛のなさけねんふぃとぅぬかきてぃうちゃら」とも歌碑(裏歌に碑歌(詞裏が歌に刻われています。歌まれている)詞が刻まれている)?????????????????????(及ばらぬとめば思ひ増す鏡)??????????????????????(影やちやうもうつち拝みぼしやの)~よしや~意)とうてい及ばない身の恋と思うと,かえって思いがつのっおもかげてくる。せめて,あの人の面影だけでも鏡に映して,お姿をせいさい見たい。伝説では,よしやの恋の相手は士族で正妻がいる人ゆうじょで,遊女であるよしやとは身分が違いすぎたために,及ばぬ恋のはかなさとつのる想いをあらわした歌となっている。??????????????????????????(おどろくなあささ食はゆんでやあられ)??????????????????????????(肝かなしやあてど抱きや見ちやる)~よしや~せみ意)蝉よ鳴いてくれるな,お前を取って食おうというのではない,心底かわいいと想うから手に取って抱いてみただけだよ。人間によってどうにでもされる弱い存在の蝉に,悲しい境遇の自分を見てしまう作者の気持ちが読み取れる歌である。よしやが蝉に呼びかける声には切ないものが感じられる。93